基本情報技術者試験 IDS

問題

IDSの機能はどれか。

ア PCにインストールされているソフトウェア製品が最新のバージョンであるかどうかを確認する。
イ 検査対象の製品にテストデータを送り,製品の応答や挙動から脆(ぜい)弱性を検出する。
ウ サーバやネットワークを監視し,侵入や侵害を検知した場合に管理者へ通知する。
エ 情報システムの運用管理状況などの情報セキュリティ対策状況と企業情報を入力し,組織の情報セキュリティへの取組み状況を自己診断する。

解説


IDSの解説


IDS(Intrusion Detection System,侵入検知システム)は、
ネットワークやホストをリアルタイムで監視し、
異常を検知した場合に管理者に通知するなどの処置を行うシステムです。
したがってIDSの機能についての記述は「ウ」です。

異常を通知することを目的としたシステムのため通信の遮断などの
防御機能を持たないことがほとんどです。

IDSその用途から、
ネットワークセグメントに接続しネットワークをの通信を監視する
NIDS(Network-Based IDS)」と、
監視対象のサーバ(ホスト)にインストールして
そのサーバで発生するイベント(受信データやログ)を監視する
HIDS(Host-Based IDS)」の2つに分類されます。

不正の検出方法には「シグネチャ型」「異常検出型」の2種類があります。
シグネチャ型はあらかじめ登録した、シグネチャ(不正な通信の特徴情報)に基づき、
一致した場合に不正と判断します。
そのため、登録されていないパターンの不正な通信は検出できません。

異常検出型は、あらかじめ監視対象の正常時の状態を登録することで、
その状態に反した場合、不正と判断します。
そのため異常検出型のように「特徴を追加する」必要がなく、未知の攻撃を検出できます。なお、多くのIDSではシグネチャ型が採用されています。

IPSの解説

IDSと似たような名前のものにIPSがあるので解説します。
IPS (Intrusion prevention system, 侵入防止システム)では検知した不正を自動的に遮断します。

IDSが「検知(Detection)」するのに対して、IPSは侵入を未然に「防止(Prevention)」するできるから、IDSより優れているっていう認識で大丈夫だと思います。

IDSとIPS、2つあわせてIDPSという場合もあります。

Intrusionを使った熟語


IDSとIPSについてはIntrusionを覚えておけばよさそうなので熟語で覚えましょう。
  • unwarranted intrusion 不法侵入 
  • intrusion alarm 侵入警報
  • intrusion alert 侵入警報
  • intrusion attack 侵入攻撃
  • an intrusion on other people's privacy 他人のプライバシーの侵害

他の選択肢の解説


ア PCにインストールされているソフトウェア製品が最新のバージョンであるかどうかを確認する。
→バージョンチェックツールの説明です。
イ 検査対象の製品にテストデータを送り,製品の応答や挙動から脆(ぜい)弱性を検出する。
→ファジングの説明です。ファジングとは、
検査対象のソフトウェア製品に「fuzz」と呼ばれる問題を引き起こしそうなデータ
を送り込み、潜在的なバグ・脆弱性を検出する手法です。
エ 情報システムの運用管理状況などの情報セキュリティ対策状況と企業情報を入力し,組織の情報セキュリティへの取組み状況を自己診断する。
→情報セキュリティ対策ベンチマークの説明です。

参考文献



基本情報技術者試験 個人情報保護法

問題 

個人情報保護法が対象としている個人情報はどれか。

ア 行政機関に登録されている個人に関する情報に限られる。
イ 個人が秘密にしているプライバシに関する情報に限られる。
ウ 生存している個人に関する情報に限られる。
エ 日本国籍の個人に関する情報に限られる。

解説

個人情報保護法の定義

個人情報保護法が対象としている個人情報については,第2条に,規定されています。
以下に、一部抜粋してのせておきます。

(定義)
第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。以下同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
二 個人識別符号が含まれるもの
2 この法律において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるものをいう。
一 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの
二 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの
・・・・・
4 この法律において個人情報について「本人」とは、個人情報によって識別される特定の個人をいう。
5 この法律において「仮名加工情報」とは、次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報をいう。
・・・・・
6 この法律において「匿名加工情報」とは、次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいう。
・・・・・
7 この法律において「個人関連情報」とは、生存する個人に関する情報であって、個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報のいずれにも該当しないものをいう。
・・・・・


定義に
「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって
とあるので、正解はウです。

法律なので分かりにくく感じますが、例をあげると、
名刺はそれ1枚で個人を特定できる個人情報であると解釈されます。
また、公開企業の代表者の住所や氏名などの個人情報は、
不特定多数に向けて公開されている情報であっても法律による保護の対象となります。
このため、公開されていても、本人の許諾なしに個人情報を使用すれば
法律に違反する可能性があります。

また、個人情報は、個人を特定できる情報なので、
匿名に加工されている利用者アンケート情報などは、
個人を特定できないため、個人情報に該当しません。

他の選択肢の解説


ア 行政機関に登録されている個人に関する情報に限られる。
→個人情報保護法の対象は、行政機関だけではなく、
 民間の個人情報取扱事業者も対象です。
イ 個人が秘密にしているプライバシに関する情報に限られる。
→プライバシに関する情報はもちろんですが、
 名刺に記載されている内容も個人情報となります。
エ 日本国籍の個人に関する情報に限られる。
→個人情報は、生存する個人に関する情報ということだけで、
 外国人か日本人かについては,規定されていません。

参考文献


基本情報技術者試験 XP(eXtreme Programming)

基本情報技術者試験にて、
XP(eXtreme Programming)において,プラクティスとして提唱されているものはどれか。
という問題が過去に出題されたので、XPについて解説します。

XP(eXtreme Programming)とは

XP(エクストリームプログラミング, eXtreme Programming)とは、
アジャイル開発における開発手法の1つです。

アジャイル開発とは、最初から綿密な計画を立てずに、臨機応変に進める開発方法です。
設計・実装・テストを短期間で何度も繰り返しながら、
顧客の意見や要望を都度取り入れて開発を進めます。
設計・実装・テストの1サイクルをイテレーションと呼びます。

アジャイル開発には指針となる手法があります。有名なのがスクラムです。
XPはスクラムほどではありませんが、アジャイル開発手法として知られています。
スクラムが勢いよく製品を作る手法であるのに対し、
XPは継続的な成長に主眼を置いています。

XPの5つのvalues

XPでは、以下の5つのvaluesが提唱されています。

  • コミュニケーション
  • シンプル
  • フィードバック
  • 勇気
  • 尊重

XPのプラクティス


XPでは、共同プラクティス・開発プラクティス・管理者プラクティス・顧客プラクティス
に従って開発を進めます。

開発プラクティス

開発プラクティスがXPの特色といえるので、より詳細に解説しておきます。
いくつかのプラクティスに分けられますが、代表的なものだけを紹介します。

テスト駆動開発

テスト駆動開発では、プログラムの実装よりもテストコードを先に作成します。
それにより、求められる機能が洗い出され、シンプルな設計が実現します。

テストの通過を目標に開発を行えば、仕様変更による開発途中のブレや本番環境でのバグの数を最小限に抑えられるでしょう。

ペアプログラミング

ペアプログラミングは、2人1組でプログラミングを行うことです。
1人がコードを記述し、もう1人はそれを確認・補佐します。

この手法の背景にある考え方は、1人の頭脳と2人の目よりも、
2人の頭脳と4人の目の方が優れているというものです。
記述しながらのコードレビューが可能になり、
一人の開発者では止まってしまうような厄介な問題にも迅速に対応できます。

リファクタリング

リファクタリングとは、完成したコードをわかりやすく書き換えることです。
同じ動作をするコードでも、シンプルにすることで、
メンテナンス性の向上や不具合の発生頻度の低下が期待できます。
最も推奨されるリファクタリングの使い方の1つは、プロセスの重複の排除です。

参考文献


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